SNSが普及したことによって多くの企業がXやInstagramなどのツールを利用して販促活動を行っています。
うまく活用すれば大きな宣伝効果が見込めるため、SNS運用に力を入れている企業も多いと思います。
企業がSNS利用する場合のトラブルの1つに自社を騙った偽の企業アカウントの存在があります。
本記事では企業の偽アカウントを発見した場合の対処方法について解説していきたいと思います。
企業の偽アカウントを発見した場合の対処法
偽アカウントは企業イメージ等を利用して、フォロワーの個人情報を取得し悪用する可能性が高い為、自社の偽アカウントを発見した場合には、速やかに削除依頼をかけるべきです。
企業の偽アカウントを削除する為には、主に以下のような方法があります。
- なりすましている本人に連絡を取り削除させる
- SNSの運営会社に連絡を取り削除して貰う
- 法的手段を使って削除させる
なりすましている本人に連絡をとり削除させる
企業の偽アカウントを削除する方法として、なりすましている本人に連絡を取り削除させる手段が考えられます。
相手が削除依頼に応じる者であれば、偽アカウントが早期に削除できる可能性があります。
ただし削除できるかどうかは相手次第の為、削除依頼を無視されるケースもあります。
SNSの運営会社に連絡を取り削除して貰う
企業の偽アカウントを削除する方法として、運営会社に問い合わせを行い削除して貰うことが挙げられます。
問い合わせフォーム等を通じて運営会社に報告する事によって、偽の企業アカウントを凍結して貰うことができます。
とはいえ、SNSの運営会社によっては対応件数が多く問い合わせてから実際に削除されるまでにタイムラグが発生したり、偽アカウントを凍結して貰っても、新たに企業の偽アカウントを作成されてしまったりして埒が明かないケースもあります。
法的手段を使って削除させる
SNSの運営会社等に削除依頼をしても対応して貰えない場合には、裁判所に、投稿記事や偽アカウントの削除仮処分命令を申し立てることも考えられます。
投稿記事削除仮処分の命令が認められるためには、次の要件を満たしている必要があります。
- SNS等の投稿内容が企業の権利を違法に侵害していること
- 権利侵害の状態を早急に解消しなければならない理由があること
裁判所が削除仮処分命令を認めた場合には、SNSの運営会社等は該当の投稿記事や偽アカウントを削除する傾向にあります。
一般的に投稿記事削除の仮処分の命令は、表現の自由を考慮して違法行為のある投稿のみを削除対象とするケースが多いです。
ただし、企業の偽SNSアカウントのように、アカウント自体に権利侵害があるような場合には、偽アカウントの削除が認められる可能性があります。
投稿記事削除の仮処分の命令が認められたとしても、なりすましを行った加害者が新たに企業の偽アカウントを作成されたら同じことの繰り返しになってしまいます。
そのためなりすましアカウント削除の対応と並行して、発信者情報開示命令や発信者情報開示請求の手続きを行い、加害者の特定をして損害賠償請求する等を検討する必要があります。
企業の偽アカウントを発見した場合弁護士に依頼すべき
企業の偽アカウントを発見した場合、対処せずに放置すると会社のイメージや信用を毀損される可能性がある為、早期に対処し、企業の偽SNSのアカウントを削除したいところです。
企業の偽アカウントを削除する有力な手段として弁護士へ依頼することが考えられます。
弁護士に依頼するメリットは次のようなものが考えられます。
- なりすましている本人との交渉を依頼できる
- プロバイダ責任制限法による情報開示請求等の複雑な手続を依頼できる
確認していきましょう。
なりすましている本人との交渉を依頼できる
偽の企業アカウントを削除したい場合に弁護士へ依頼するメリットとして、なりすましている本人と交渉し、企業の偽アカウントを早期に削除できる可能性があります。
企業の偽SNSアカウント使用し、なりすましている本人に、削除するように求めても、何の回答もないことがあります。しかし、弁護士からの削除請求の通知であれば、本人は交渉に応じることもあります。
また、本人が交渉に応じない場合であっても、その後の法的手段等を検討していくことができます。
発信者情報開示請求等の複雑な手続を依頼できる
偽の企業アカウントを削除したい場合に弁護士へ依頼するメリットの1つに、SNS運営会社にプロバイダ責任制限法による発信者情報開示請求等の複雑な手続を依頼できる点があります。
SNSでの情報は膨大であり、偽の企業アカウントで権利が侵害されたとの通知の内容があいまいであると、実際にどのアカウントが、どの投稿記事が問題とされているのか分からないことも多いです。
偽の企業アカウントを削除するためには、偽の企業アカウント、投稿記事を特定し、権利が侵害されたことが明白であることの法的な説明と証拠を準備する必要があります。
するための説明と資料が必要です。
弁護士に依頼すればこのような複雑な手続を代理し、偽の企業アカウントの削除に向けて進めて行くことができます。
また、なりすましている本人に対して、損害賠償請求をする場合には、引き続き対応することも可能です。
まとめ
今回は、企業の偽アカウントを発見した場合の対処法について解説しました。
企業の偽アカウントのトラブルは、SNSの普及により以前に比べ多い傾向にあります。
とはいえ企業の偽アカウントの削除を企業内で解決することは非常に難しく、状況によっては削除が認められないケースもあります。
弁護士に依頼した場合、依頼者の最大の利益を考えて弁護活動を行います。
偽の企業アカウントを見つけた場合には、早めに弁護士への依頼を検討してみてください。