給与は、「固定的給与」と「変動的給与」に分けることができます。固定的給与とは、原則として毎月決まって同じ額が支給される給与のことで、例えば、基本給・役職手当・住宅手当・家族手当・通勤手当などがこれにあたります。一方、変動的給与とは、支給されるごとに支給額が異なる給与のことをいい、時間外手当・休日労働手当・深夜労働手当などの残業手当や精皆勤手当などがこれに当たります。
変動的給与は、毎日の出退勤状況や残業時間に応じて給与を支給するたびに金額が異なるので、毎月、支給額を計算することが必要です。そこで、変動的給与を計算するため、各労働者の日々の出勤・欠勤の状況、労働時間・残業時間などの把握に用いられるのが、出勤簿やタイムカードとなります。出勤簿やタイムカード、賃金台帳は最後に記入した日から3年間、事業所に保管しておく必要があります。
労働基準法では、「法定労働時間(週40時間、1日8時間)を超えて働かせてはならない」という原則があります(労働基準法32条)。もっとも、これは原則であって、いくつかの例外も労働基準法内に定められています(労働基準法32条の2~5)。この法定労働時間を超える労働時間は「時間外労働」として、割増賃金を支払う必要があります(割増率は、通常の労働時間または労働日の賃金計算額の25%以上、月60時間を超えた場合は50%以上)。割増賃金を支払う必要がある場合としては、時間外労働の他に、休日労働をしたとき(割増率35%以上)や、時間外労働が深夜に及んだとき(割増率50%以上)、休日労働が深夜に及んだとき(割増率60%以上)があります(労働基準法37条)。
どの会社でも、従業員が辞める際、必ず退職金を支給する必要はありません。労働基準法は、退職金に関する規定を必ず就業規則に記載しなければならないと要求しているわけではなく、退職金の規程を設ける場合は、いくつかの事項を定めよという条文(労働基準法89条1項3の2号)があるにとどまります。つまり、退職金の規定を就業規則に記載しなくとも、法律に違反せず、会社が退職金を支払わなくても問題はありません。ただ、就業規則に退職金の規程がない場合であっても、退職金の支払が慣行となっている場合には、従業員に退職金の支払が必要になる場合があるので、注意が必要です。
大阪市東部(東成区・生野区)、東大阪市を中心として、大阪府・京都府・兵庫県など関西全域で、労務管理・勤怠管理に関する法律相談を承っております。「雇用契約を解除するための条件は何か」「労働審判(労働裁判)の答弁書を作成してほしい」「退職勧告(退職推奨)をするにはどのような方法で行えばいいか教えてほしい」などのお悩みにお応えしていきますので、労務管理でお困りの際はお気軽にご相談下さい。
給与・退職金・時間外労働
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